
2023年6月開店!
薪炭問屋がルーツの先鋭的カフェダイニング

開店当初のスタッフ。左からオーナーの廣瀬直之さん、ホールを取り仕切る吉田光さん、シェフの森田貴行さん、ホールスタッフの松野早智さん、吉田光枝さん、廣瀬さんの奥さんで同社常務取締役の廣瀬弘子さん。
炭をテーマにしたカフェダイニング
駿河台下の交差点から千代田通りを皇居方面へ向かうと、1本の川に出会う。日本橋川である。手前の交差点の名は錦町河岸。この交差点に面した一等地に2023年6月、ガラス張りのカフェダイニングが新規オープンした。その名も『廣瀬與兵衛商店』。大きな窓からは黒とグレーを基調にしたシックな店内の様子が伺える。66坪。広々とした空間はショールームのようでもある。明治から昭和にかけて、この地に『廣瀬與兵衛商店』という名の薪炭問屋があり、古風な店名はここからとっている。そしてもう一つ、店名にちなんでいるのが「炭」である。
店内の中心部に大きな炭焼きグリルがしつらえられていて、ここで炭焼き料理を楽しめるようになっている。また、店内のところどころにも、炭がディスプレイされている。実はオーナーの廣瀬直之さんは、この地で薪炭問屋を開いた廣瀬與兵衛の曾孫にあたる。今でも別会社(隣のビル)の『東京燃料林産株式会社』では薪炭の販売をしているのだ。
「東京で木炭を売っているというと驚かれる方もいますが、ピザ屋さんや焼き鳥屋さんを中心に500軒くらいの飲食店と取引させていただいています。そんなこともあり、飲食店には知り合いも多く、昔から興味がありました。また、神田界隈には全国のアンテナショップがありますが、神田のアンテナショップはどこにもありません。今回、飲食店を始めるにあたり、歴史や文化が色濃く残っている神田のアンテナショップをコンセプトにしようと考えた次第です」
廣瀬直之さんは実に楽しそうにお店のコンセプトを話してくれた。

ガラス張りの外観。会計はキャッシュレス。注文はテーブルのQRコードでする。先進的なシステム。

ホールの中央部にしつらえられた炭焼きグリルは知り合いのレンガ屋さんに特注したもの。
昼は身体の健康、夜は心の健康
テーブル席、カウンター席含めて店内は55席。屋外にテラス席もあり、こちらは15~20人。また、店内には立ち飲みスペースも設けられていて、「交流の場にしていただきたい」とオーナー。
気になるメニューだが、意外にも炭焼き料理がメインではない。特にランチで中心になるのはサラダ。スーパーフードのキヌアをふんだんに用いた「パワーサラダ」、「シーズナルサラダ」、「ニース風サラダ」、「シーザーサラダ」、「季節限定のキュウリとみょうがの夏野菜サラダ」の5品がラインナップ。いずれも料金は1,200円。パンやライスも付かない。ただし、サラダ自体のボリュームは300g以上あり、これだけで満腹になること請け合い。成人が目標とすべき1日の野菜摂取量を1食でクリアできる。
「神田界隈でランチというと、ラーメンやカレー、トンカツなどが定番です。毎日これらを食べていては、あまり健康的とはいえません(笑)。実際、日本人は大腸癌が多いと言われていて、生野菜の摂取量が少ないのがその一因のようです。そんなこともあり、メニューのコンセプトは「昼は身体の健康」、「夜は心の健康」なんです(笑)」と廣瀬さん。

お客様が焼いて楽しめる「BBQグリルベジ」と「ソーセージ盛り合わせ」。

写真左上は「ニース風サラダ」、左下は「Rainbowパワーサラダ」、
右は「シーザーサラダ」。

フランスの郷土料理「カスレ」(2,800円)は白インゲン豆をふんだんに使用した煮込み料理。オーナーの廣瀬直之さんの好物。

こちらは夜の前菜にラインナップしているフムス(ひよこ豆のディップ)。中東諸国の伝統料理。香辛料のバランスが絶妙で病みつきになる
フレンチの名門で修行を積んだシェフ
シェフの森田貴行さんは、名門山の上ホテルで2年、帝国ホテルで13年、フレンチのコックをしていた。フレンチに炭を使うことはないが、今回、『廣瀬與兵衛商店』のシェフを務めるにあたり、炭の利用法を日々研究しているという。そして、ホールの炭焼きグリルを利用して、お客様が自分でソーセージや野菜をあぶり、都心にいながらBBQのように楽しめるようになっている。さらに「シーザーサラダ」には竹炭パウダーを混ぜ合わせた黒色のパンが用いられ、デザートの「ベイクドチーズケーキ」にも竹炭パウダーがアクセントとして塗されている。そして、ランチプレートには「廣瀬與兵衛商店「炭」バーグ」なる黒色のハンバーグもラインナップ。炭は無味無臭だが、天然ミネラルが豊富に含まれていて、デトックス効果が高いそう。
ホールの壁の一部分には、神田の地図が描かれている。この先、地元企業とさまざまなコラボレーションをして、商品を店内にディスプレイしたり販売したりしていきたいと廣瀬さんは話す。どのようなコラボが生まれるのか、とても楽しみだ。
その昔、目の前を流れる日本橋川は舟運が盛んで、錦町河岸には神田町人の暮らしに必要な様々な物資が運ばれてきた。薪炭もその一つ。時代は変わり『廣瀬與兵衛商店』は神田のアンテナショップをコンセプトに掲げ、神田で働く人たちの憩いの場、出会いの場として新たな一歩を運び始めた。

「ベイクドチーズケーキ」。竹炭パウダーが塗されている

こちらが壁に描かれた神田の地図。
レポート◎山根和明(広報委員会)
食いしん坊手帖 vol.04
東京都千代田区神田錦町3-17 廣瀬ビル1F
電話:03-5577-7071
- 営業時間
・ランチ&カフェ
11:30〜17:00
※ランチのLOは14:30
・ディナー
17:00〜21:30
※食事のLOは20:30、ドリンクは21:00 - 定休日
土・日・祝 - 席数
全80席
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