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経営者のための法律相談

第8回 保証人への請求

はじめに

近頃は、債権回収問題として保証人からの回収問題もよく出てきます。それだけ、回収に苦労する事案が増えているのだろうと思います。そこで保証人への請求でよく問題となる点に関して、解説をしてみたいと思います。

1、「保証人になったことがない」と言われた…

多く見られるのは、勝手に名前を使われたとか、保証人の署名は別人が行っていたなどで、保証人との間での契約がそもそも成立していないということです。保証人は、さまざまな事情で保証契約をしますが、債権者からすれば、保証人は万一のときの担保として意味がなければなりません。
 このためには保証人の保証意思を債権者自身が確認しておくべきです。その確認時期も本契約前であるべきです。これは、本契約がどんな内容の契約であっても、保証があることが前提であれば、その保証がなければ本契約もないという場合が多いと思うからです。いったん本契約をしてしまえば、保証契約が偽造であったから本契約を取り消すということができても、本契約で債権者が履行した内容を戻すことは不可能でしょうから、この事前の確認が大事になるのです。
事前の確認は易しくはありませんが、1つの方法として、住所の確認作業の後、その住所に保証意思確認のための往復はがきを送り、返信を出してもらうという方法は便利です。契約書のときに印鑑証明書付きの実印で押印の予定であっても、同じ確認方法でも精神的な意味での確実性を保証人に持たせることができ、重要なことです。

2、「支払いたくても支払能力がない」と言われた

 保証したことは間違いないが、お金がないという返事も多くあります。保証人を誰にするかの方針の妥当性の問題を考えておくべきでしょう。通常は、別の世帯の人に保証を引き受けて貰うべきです。また、当然のことながらどの程度の支払能力があるかを確認しておく必要があります。源泉徴収票、自営業の税務申告書などが資料として考えられますが、そこまで入手できる場合は銀行の貸し付けの場合などの例に限られています。一般的には、保証人本人に仕事の内容や収入関係についての説明書を出していただくか、その説明を口頭でも受けておくということが重要だと思います。これは、説明内容が大きく違うような場合は、保証人自身に「詐欺」になるのではという問題が生じますから、債権者も強く請求できるでしょうし、保証人も刑事事件となるのであれば真剣に解決しようとすることが期待できるからです。
3、「もっと早く言ってくれれば」と言われた
 本人との債務不履行問題で交渉しているうちに半年以上経ってしまうということがあります。このような段階になってから保証人に連絡すると、賃貸借契約の場合のように保証人の保証額が増加する場合が考えられます。特に遅れれば遅れるほど保証額が増加する場合は、保証人も早く解決したいという思いは同じですから、解決を早くすることができるかも知れません。早く保証人へ連絡をすれば、保証人が本人に話をするなどして、解決の方向での話し合いが進展することが期待できるからです。

法人なかま 2009年9月号掲載