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使える!ビジネス百科シリーズ

第3回 原料高は厳しいけれど……レアアース問題が日本を強くする?

今、知っておきたい経済&経営のお話

世界市場の97%を握る中国

昨年の中国による輸出規制強化以来、新聞、ニュースで頻繁に目にするようになった「レアアース」※。この貴重な物質を必要とする産業分野はとても広く、ハイブリッドカーや燃料電池、デジタルカメラ、薄型テレビ、光磁気ディスク、時計、照明、医療機器、原子炉等々。さまざまな機械・電子部品の素材として使われ、性能向上(例えば磁力の強化や耐熱性の向上など)に欠かせない役割を担っています。

そんな"21世紀の黄金"とも呼ばれるレアアースの世界市場で、97%のシェアを握るのが中国(2009年、生産量ベース)。当然、その動向は需給バランスに大きな影響を与え、実際に昨年来、物質によっては124%も価格が上昇しました。

代替材料、リサイクルなど、対応策も進む

輸入する側にしてみれば、原材料価格が突然2倍以上になる事態は死活問題。大手メーカーなどでも時々、「増収減益」という決算がありますが、その原因の一つが"原料高"です。

とはいえ今回のレアアース問題では、日本もただ手をこまねいているわけではありません。国、企業では着々と対策が練られています。例えば代替材料への置きかえ。鉄や銅など一般的な鉱物を使って、同程度の性能を持つ部品の研究開発が進められています。そして、リサイクル技術の確立。使用済みのハイテク製品は「都市鉱山」とも言われ、多くのレアアースを含んでいます。そこから効率良く必要な物資を取り出せれば、輸入に頼らずとも資源を"自給"できるというわけです。

企業にとって、原料高は確かにピンチ。でも実は、それをチャンスにできるかどうかが、強い企業とそうでない企業の分かれ道なのかもしれません。レアアース問題への対応のとおり、難局は新しい技術や仕組みを生み出す原動力。原料高を他社に差をつける絶好の機会ととらえてみてはどうでしょうか。

※ 「レアアース」(希土類)とは、例えばネオジム、セリウムなどといった17の元素のこと。鉱石採掘などの副産物として得られることも多い。ちなみに「レアメタル」は、リチウムやチタンなど希少な非鉄金属の総称。一般に、レアアースはレアメタルに含まれる。

法人なかま 2009年6月号掲載