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店名が語る「正札主義」いい品、多彩な品ぞろえ

鞄一筋 レオマカラズヤ




びっしりと各種鞄が置かれた店内、
その数には圧倒される。






見事なひげがトレードマークの木内さん、隣はご長男の尚武さん。


 神田古書街の一角、歩道にはみ出さんばかりに店頭に陳列された各種鞄類。「いったい幾つくらい」と聞くと「数えたことがありません」と木内社長は素っ気ない。これでもか!というくらいに置かないとだめ、すかすかでは売れない。これが商売哲学であるらしい。明治39年創業で三代目。父と二代にわたって撮りためた町の定点写真は貴重な資料として各方面から引っ張りだこだし、江戸名所図絵など古文書の蒐集家としても有名な方である。

─まず、風変わりな店名の由来から。

 創業の頃は「マカラズヤ商店」。レオがついたのは戦後、50年くらい前から。レオは百獣の王ライオン。ジャングル大帝レオよりこっちが先です。株式会社レオなら何でもできると考えて。明治の頃には関西と同じように「まけろ、まけない」という商習慣があったのでしょうね。最初はこれ以上まからないの意味です。以来、正札主義を貫いてきました。現在では「ご安心ください、すでに値引きしてありますよ」の意味もこめています。

─創業者はなぜ鞄だったのでしょうか。

 当時は日露戦争が終って活気があり、大陸へ大陸への時代です。柳行李に変わる革の鞄を大々的に売り出して、大いに儲けたらしい。先見の明があったのでしょうね。この神保町も今みたいに古書街ができる前で、いろいろな商店が雑然と立地する、ごく普通の商店街だったらしいですね。
─ 一口に鞄といってもこの種類の多さ。

 初代が今の店を見たら目を回すんじゃないでしょうか。種類は圧倒的に増えてます。数は数えたことないですけど、ジャンルでいうと20から30。昔は製造もやっていましたが、とてもニーズに追いつかない。幅広く薄く各有名ブランドの品を揃えておく。間口を狭くしないこと。すごいスピードで商品も売れ筋も変わっていく時代ですから。商品の定点写真を見ると面白いですよ。「あの頃はこんな商品を扱っていたのか」なんてね。

─写真といえば、
 「古い写真なら木内さん」と定評があるようですが。


 カメラを持ったのは私の父の二代目。80年以上前から、大震災前の店や町の写真が残っていて、これをベースに定点写真を二代にわたって撮り続けてきました。幸いなことに戦災でも持出しに成功した。これが歴史的にも貴重な映像ということで、千代田区の催事や記念誌の編集の時などによく貸出しています。懐かしい、という方が多くて喜ばれています。テレビの番組などへの協力、資料提供もたびたびです。それと、これは私が趣味で集めた大名家放出の江戸名所図絵(着色)とか、風俗画報などの古書の類。「神田写真館」や「レオマカラズヤ絵文庫」としてホームページで紹介。かなりの反響を呼んでいます。四代目を継ぐことになっている長男に店を任せて、私は好きなことで遊んでいます。




関東大震災直前の店頭、マカラズヤ商店とある。



震災後の昭和4年、区画整理が始まる前のマカラズヤ店頭。
それにしても大きな看板である

会 社 名レオ マカラズヤ株式会社(創業1906年)
住  所東京都 千代田区 神田神保町1-3
電  話03-3295-5200
事業内容国内外有名メーカーの各種鞄の販売

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