他の老舗を見る

QOL〈生活の質〉向上に貢献 伝統に感謝し革新と進化を。

株式会社 龍角散




八代目を継いでいる藤井隆太社長




伝統を語る古い看板



東神田のランドマーク本社ビル


 「ゴホン!といえば龍角散」。あまりにも有名なこのフレーズが、最近は「ゴホン!の前に龍角散」へと変った。「伝統を守るだけでは何代も商いは続きません。常に経営革新を心がけ、苦しいけど挑戦を試み、将来の存続を目指して進化を続けなければ。古い企業だからこそ」。この明確な指針が、清新な社風を生むのだろうか。桐朋音大卒、元フルート演奏家というもう一つの顔をもつ若き八代目である。

─日本ののどを守って200年、とあるのは。

 現在地に創業したのは明治4年ですが、ルーツを辿ると江戸中期に秋田・佐竹藩の典医であった藤井玄淵(初代)が、咳止め用の和漢薬を創製した。これが「龍角散」の原点です。

─「ゴホン!の前に」という新フレーズですが。

 確かに今までのは、龍角散という製品の知名度アップに大きく貢献してきました。しかし、もっと前向きにこの薬の効能を訴えていこう、セキだけでなく、のどをキレイにする、活性化する、元気にするんだと。先祖の残してくれた遺産にしがみつくだけでなく、時代とともに変えていく、新しいビジネスにも挑戦していく。それを代々やってきたから今日があるのだと思っています。例えば、龍角散トローチや水なしで飲めるクララの開発。輸出も早くから手掛けたし、海外メーカーとの提携など。私もこの姿勢を崩したくない。

─社長を継がれたのが比較的新しい。

 入社したのが平成6年、継いだのが翌年ですからやっと10年。その前に10年他社にいました。大阪の製薬会社で営業とマーケティングを2年、化学会社の情報電子部門に8年。違う見方を学びました。実は父から桐朋の音楽高校に入る時「世襲じゃないから好きなことやれ」といわれ、音楽の道へ入った。教員免許もとりパリへ留学もした。何とか食べていける見通しがついたのに、こういう仕事もあるぞ。でしょ。話が違うと喧嘩になった(笑い)。しかし父の仕事に全く興味がなかった訳ではなかったから、議論の末、音楽はきっぱり諦めて仕事に本腰を入れることにしました。

─しかし、すぐ龍角散じゃなかった。

 最初から自社に入ったのでは勉強にならないので他社で10年様々なビジネスを経験させてもらいました。しかし元々興味があった情報電子分野の仕事が面白くなってきた頃、急に呼び戻された。ここでまた喧嘩(笑い)。しかし長男だから仕方がないか、と。

─この10年間取り組まれたことは。

 量販店が伸びている時代、まず流通分野の意識改革です。製品では嚥下補助ゼリー剤の開発。ゼリー状のオブラートです。これは介護の現場を見学して確信をもった。これをお年寄り用だけでなく子供用にも広げた。これは今まで全く市場になかった製品で、早い決断が良かった。健康を守るだけでなく生活の質(QOL)向上に貢献できたと自負しています。
─ところでフルートの方はいま。

 けっこう演奏の機会が多いんです。仕事がらみで。東南アジアの商談などでは会食の席でテレサ・テンの曲を吹いたり(笑い)。これがいい印象を残す。それと本社ビルでも定期的に演奏会を開いています。ご近所の人たちをお呼びしたりして。これも好評です。
次回は6月4日(土)を予定してますので、皆さんも聞きにいらしてください。
(龍角散ビルコンサートの詳しい内容は同社総務部 3866-1177まで)
会 社 名株式会社 龍角散 りゅうかくさん(創業1871年)
住  所 東京都 千代田区 東神田 2-5-12
電  話 03-3866-1177
事業内容一般用医薬品、医療用医薬品、健康食品

他の老舗を見る