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経営者のための法律相談

第21回育児・介護休業法の改正(2)

 育児・介護休業法が改正され、平成22年6月30日に施行されました。前回は、この改正のポイントのうち「短時間勤務制度と残業免除の義務化」「看護休暇制度の拡充と介護休暇の新設」についてお話をしました。そこで今回は、残りの「父親の育児休業の取得促進」と「実効性確保のための制度」という2つのポイントについてお話をしたいと思います

4.父親の育児休業の取得促進

 最近、「イクメン」などといって父親の育児へのかかわりがマスコミなどにも取り上げられるようになってきています。父親の育児に対する関心は高まっているといえますが、実際に父親が育児休業をとり、育児に参加している割合は非常に低いようです。そこで、この父親による育児へのかかわりを助けようという目的で、いくつかの法改正が行われました。

  1. パパ・ママ育休プラス
    まず、母親と父親がともに育児休業を取得する場合に、取得できる期間を子どもが1歳2か月になるまで延長できるという制度です。例えば子どもが1歳になったときに母親が職場復帰をしようとした場合、父親が生後10か月から1歳2か月までの間、育児休業するといったことができることになります。
  2. 8週間以内の父親の育児休業取得の促進
    また、父親が子どもの出生後8週間以内に育児休業を取った場合に、2度目の育児休業を取ることが可能になりました。例えば、生後すぐの大変な時期に父親が育児休業をとった場合、これまではもう育児休業を取ることはできませんでした。改正法では、これを2度に分けてとることが可能にすることで、母親の職場復帰の時期にも育児休業を取ることができるようになったのです。
  3. 労使協定による専業主婦等除外規定の廃止
    さらに、これまでは労使協定で、配偶者が専業主婦(夫)や育児休業中である場合には、育児休業を拒めるという制度が設けられていましたが、改正法ではこの制度を廃止し、すべての労働者が育児休業を取得できるようになりました

5.実効性確保のための制度

 このような制度が新しく設けられたとしても、それが実効性のあるものでなければ意味がありません。そこで実効性を確保するために都道府県労働局長が紛争解決を援助したり、調停委員によって調停を行ったりする仕組みが創設されました。
 また罰則の規定も設けられています。法律違反に対しては国が是正勧告を行うことになりますが、これに従わないと企業名が公表されるという制度が設けられました。さらには、虚偽の報告をしたり、報告をしない事業主に対しては、過料の制裁が科されることになっています。

6.猶予措置

 これらの新制度は、平成22年6月30日から施行されています。したがって、事業主は就業規則を改正するなどして、これらの新制度を導入しなければならないことになります。
 ただし、常時100人以下の労働者を雇用する企業は、「短時間勤務制度の義務化」・「残業免除の義務化」・「介護休暇制度」について平成24年6月30日まで適用が猶予されています。

法人なかま 2010年11月号掲載