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経営者のための法律相談

第14回 下請企業保護の法律(2)

前回に引き続き下請代金遅延等防止法の説明をします。今回は、その規制する取引の要件について説明します。その要件では、経済的格差からの不当取引防止のために、その経済的格差の要件を法はどのように規定したのか、を説明し、次回にどのような取引について不当取引の防止を考えているのかを説明します。

1,親事業者と下請事業者

 法の趣旨は、経済的格差等から不当な不利益を受けないようにするためにどのような規制をしたらよいかということです。法は、その格差が生まれる関係を親事業者と下請事業者という関係の概念にまとめたのです。この関係にある企業間の取引だけが規制の対象となるというパターン化をしています。あまりにもパターン化をしているために、抜け道が可能だという意見もありますが、反対に基準が明確であるために、分かり易く、行動基準とすることがたやすいという評価もあります。

(1)資本の額又は出資総額

親事業者と下請事業者という関係は、それぞれ相互間の大きさの違いによって異なります。つまり、同じ行為で
も相手が異なれば、許されたり禁止されたりするということで、どんな会社間の問題であるかが重要となります。  法は、基本的に資本金を基準とすることを決めています。誰が見ても分かり易いからです。

(2)製造委託・修理委託・政令で定める業種における基準

パターン(1)
   (親事業者)資本の額又は出資の額が3億円を超える法人たる事業者
   (下請事業者)個人又は資本の額又は出資の総額が3億円以下の法人たる事業者
パターン(2)
   (親事業者)資本の額又は出資の額が1千万円を超え3億円以下の法人たる事業者
   (下請事業者)個人又は資本の額又は出資の総額が1千万円以下の法人たる事業者
  ここでは、たとえば資本金5000万円の企業Bが4億円の企業Aの下請けをして、そのまた下請けで資本金500万円の企業Cに委託したという場合は、Bは、Aとの関係で下請け法上の保護があるが、反対にCに対しては、Bの委託行為が規制の対象となるということとなります。

(3)情報成果物作成委託・役務提供委託における基準

政令で定める業種は前記パターンによるため、ここには含まれません。
パターン③
   (親事業者)資本の額又は出資の額が5千万円を超える法人たる事業者
   (下請事業者)個人又は資本の額又は出資の総額が5千万円以下の法人たる事業者
パターン④
   (親事業者)資本の額又は出資の額が1千万円を超え5千万円以下の法人たる事業者
   (下請事業者)個人又は資本の額又は出資の総額が1千万円以下の法人たる事業者

法人なかま 2010年4月号掲載