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経営者のための法律相談

第11回 労働審判制度について

1. 労働審判制度とは

 労使間の紛争を解決するために「労働審判制度」が創設され、平成18年4月1日から運用されています。最近は従業員側が法的手続を使って「権利」を主張する場面が増えており、その一つとして労働審判制度も活用されています。
 労働審判制度とは、労働審判官(裁判官)1名と労働関係の専門家である労働審判員2名(使用者側、被用者側1名ずつ)で組織された労働審判委員会が個々の従業員と事業主との間に生じた労働紛争を、3回以内の期日で審理し、適宜調停を試み、調停がまとまらなければ、事案の実情に応じた柔軟な解決を図るための判断する(この判断を労働審判といいます。)制度です。

2. 労働審判制度の利点

労働審判制度の運用が開始された後も従前どおり、労働相談情報センターによるあっせんや通常の民事裁判等を利用して労使紛争を解決することは可能です。しかしながら、労働審判制度には下記の利点があるため、従業員側が労働審判の申立てを行うことは今後も増えるものと予想されます(なお、経営者側からも申立てを行うことは可能であり、少数ですが実例もあります。)。

  1. 法的拘束力があること
    調停が成立した場合であっても労働審判が行われた場合であっても法的拘束力が生じます(ただし、労働審判が下された場合に異議を申し立てれば、自動的に裁判手続きに移行しますので、労働審判の法的拘束力はなくなります。)。
  2. 迅速であること
    労働審判制度は、通常の裁判に比べて申立てから第1回期日が入るまでの日数が短く、また、平均審理期間についても、通常の労働関係民事訴訟事件の4分の1以下ですので、事案の早期解決が図れます。
  3. 労働審判員の知識・経験が活かされること
    労働審判員が審理に関与することで、事案の実情に応じた柔軟で実効的な解決がなされます。

3. 労働審判への対応

上記したとおり、労働審判制度はスピードが重視されますので、他の法的紛争に比べて迅速な初動が大変重要です。労働審判を申し立てられた場合には直ちに弁護士に相談してください。
法人なかま 2009年12月号掲載