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経営者のための法律相談

第5回 インサイダー取引(その1)

1, インサイダー取引禁止について

よくインサイダー取引で会社役員が起訴されたなどという記事を見ると思います。大々的に報道された事件も記憶にあるかとは思いますが、インサイダー事件は、意外と頻繁に起こっており、今年の春以降だけでも、インサイダー取引がよく新聞で報道されています。多くの皆さんは、自分には関係ないことと思っているでしょう。しかし、どのようなものがインサイダーとして禁止となるか知っているでしょうか? 意外なところに落とし穴があるものです。その落とし穴にはまった場合には逮捕される場合もあるわけで、どのような刑事罰、行政罰があるか関心を持つとよいでしょう。大まかな知識であっても、ぜひその知識を身につけておいてください。
禁止規定は、要は「公開株式の取引でのうまい話による取引の禁止」だと理解して頂いてよいと思います。この一言で注意をして頂ければよいのですが、もう少し、禁止規定の内容を見ることにしましょう。昔は、本当にこの様な「うまい話」が横行していたことは事実でありましょうが、現代ではそのようなことが通用しないのだということをよく理解して貰いたいと思います。
ここでいう契約とは、書面によるものだけではなく口頭上の契約も含まれます。

2, その禁止の法律と捜査機関

旧証券取引法時代からこの禁止規定がありましたが、平成になってからこの面での規制を厳格にすべきとの方針で最終的に平成18年の金融商品取引法により、具体的にその禁止内容が規定されることになったのです。この取引は、株取引という特殊な取引の場での問題であるために、捜査機関も金融庁の証券取引等監視委員会で行うこととなっています。
罰則は次の通り、いわゆる行政罰と刑事罰があります。会社経営者として注意すべきなのは、会社が罰せられる場合は、その取締役も株主代表訴訟により金銭的な負担を負う場合があると予想されることであります。
行政罰としての課徴金:その取引による経済的利益相当額(いわゆる儲けた額です。)
個人の刑事罰:5年以下の懲役若しくは500万円以下の罰金又はその両方
法人の罰則:法人の業務又は財産に関して取引をしている場合はその法人も5億円以下の罰金

3, 筆界の調査等

必要な事実調査は、弁護士、土地家屋調査士などの専門家から法務局が選んだ筆界調査委員が行います。筆界調査委員は、測量や実地調査もでき、必要があれば他人の土地への立ち入りもでき、調査結果に基づく意見を筆界特定登記官に報告します。
 また、筆界特定登記官は、申請人や関係者にも、意見や資料を提出する機会を与え、また、申請人等に対し質問することもあります。
 さらに、法務局は、関係する行政機関などにも資料の提出等必要な協力を求めることができ、資料等を手元に集中したうえで検討でき、より精度の高い調査ができるのです。
 また、専門家が上記した手順で行うため、より迅速に、幅広い調査ができ、調査期間が大幅に短縮されます。

3, インサイダーとしての禁止内容

法律は、「会社関係者等」と「公開買付者等」という分類での記載をしていますが、公開買付は特殊ですから、ここでは一般的な会社関係者等の禁止内容(証券取引法166条)を説明します。
(1)行為の主体別による禁止

  • 会社関係者であり重要事実を知った者
  • 1.の者であった者で取引当時会社関係者ではなくなっている者であっても、会社関係者でなくなってから1年以内の者
  • 会社関係者から重要事実の伝達を受けた者(情報受領者)
  • 情報受領者の所属する法人の他の役員等であり、その役員の職務に関して当該重要事実を知った者
次号でその内容をもう少し詳しく記載したいと思います。

法人なかま 2009年6月号掲載