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使える!ビジネス百科シリーズ

第9回 話題の「ドラッカー『マネジメント』」とは?

今、知っておきたい経済&経営のお話

企業活動の目的とは、いったい何か?

 関連書籍が250万部を超えるベストセラー、さらに映画化、アニメ化……。大きな話題を呼んだドラッカーの『マネジメント』ですが、皆さんはその理論の中身についてご存じでしょうか? 今回は、"マネジメントを発明した男"とも呼ばれるP.F.ドラッカーの理論の、ごく一端をご紹介したいと思います。
 「マネジメント」とは、日本語では「経営」や「管理」などと訳されますが、ドラッカーの言うそれを理解するためには、まず"企業や組織の目的"から考えるのが近道です。企業の目的は、利益を上げ、事業を継続すること。確かにそれも正解でしょう。しかしドラッカーは、はっきりと言います。「企業の目的の定義は一つしかない。それは、顧客を創造することである。」顧客のニーズに応え、満足させ続けることこそが企業活動の目的。逆にそれができなくなった組織に存在意義はない、となかなか手厳しいのです。

クルマを操縦することこそが……

  ではニーズに応え続けるために、企業は何をしたらいいのか。ここでもドラッカーの答えは明快です。「企業には2つの基本的な機能がある。それは、マーケティングとイノベーションだ。」
 マーケティングとは、顧客のことを熟知して、製品やサービスが「ひとりでに売れてしまう」ようにすることをいいます。しかし、目に見えているニーズに応えるだけでは、競合も登場するし、限界がある。そこで重要になってくるのがイノベーション。これまでにない新しい価値を生み出す作業です。短期的な視野でマーケティングを行いながら、中長期的な視点でイノベーションに力を注ぐ。マーケティングとイノベーションは、いわばクルマの両輪といえます。そして実は、この両輪を持つクルマを"操縦すること"が「マネジメント」というものの一つの解釈なのです。
 ……いかがでしょうか。もちろんここでの説明は、ドラッカーの『マネジメント』のほんの入り口です。しかし、「顧客の創造」「マーケティング」「イノベーション」は、どんな組織も重視すべき普遍的なキーワード。自社のマネジメントについて考えるきっかけにしてみてはいかがでしょうか。

法人なかま 2010年6月号掲載